キエフの幽霊
2022-03-03
21世紀初のウクライナ空軍エースパイロット その名も「キエフの幽霊」
今、まさに戦闘空域に向かおうとするウクライナ空軍の戦闘機。同軍機の多くは旧ソ連製で、同一機種同士の戦いも発生している可能性がある(関 賢太郎撮影)。
一説によると、「キエフの幽霊」は開戦から30時間以内にロシア空軍機6機を撃墜したとされ、その戦果の内訳はSu-25攻撃機2機、MiG-29戦闘機、Su-27戦闘機、そしてロシア空軍において最も強力な最新鋭機Su-35戦闘機2機であるといわれます。また戦争5日目には、その撃墜数は10機に達したという噂もあります。 戦場において最も優れたパイロットに与えられる称号である「エース」は、明確な規定こそないものの、通常5機の撃墜であると広く認識されています。近年は大規模な全面戦争そのものが発生しなくなったことから空中戦もなく、約40年前の「ベッカー高原上空戦(イスラエル対シリア)」や「イラン・イラク戦争」を最後に、少なくとも筆者(関 賢太郎:航空軍事評論家)が知る限りエースは生まれていませんでした。現代に、しかもわずか1日でエースとなった「キエフの幽霊」は、まさに常識外れです。当初より、あまりにもよくできたストーリーから「キエフの幽霊は存在しないのではないか」「新作ゲームの話か」といった声も少なくありませんでした。
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